LAYER

陶磁器の絵付け技法を現代的に再解釈し構成した作品群が「LAYER」シリーズである。陶磁器で原料を最大限発色させるには焼成温度を色ごとに変更する必要があり、オブジェクト上に加飾するデザインをコンピュータ上で実際の焼成温度ごとにレイヤー分けをする。現代的且つ2次元的に作成された図案は陶磁素材に3次元的に反映される。そのプロセスを経て生まれる表現は古来より存在する伝統素材に現代技法を記録することを可能とした。

「component」は林檎に含まれる成分イメージをオブジェクトにドローイングすることで視覚化した。林檎は​他の果物と比べてビタミンCが少ないが、他の全ての成分(例えば食物繊維やタンパク質、βカロテン)と合わせて摂取することで、体内の血液中のビタミンCが約34%増加するという研究報告が挙げられている。形を半永久的に保つ陶磁器素材の性質によって、成分が体内に入ることで瞬間的に増殖するイメージの永続的な定着を試みた。

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​C -component-

W80×D85×H100mm/2021
半磁器
愛知県立芸術大学卒業制作展買上賞
私立栄徳高等学校所蔵

「Various」とは多種、多様、模様など様々な意味がある。バナナは栄養価の高さから人類の歴史で必要とされ、19世紀頃には世界各地で栽培され消費されるようになり現代の日本では安価で入手しやすい果物となった。その反面、生産地とされる海外では非自然の中で非人権的な労働環境で量産され、それらを大量に輸入する分廃棄も多いことから現代の消費社会を彷彿とさせる存在である。また、その特徴的な造形や性質から人種差別的な意味で用いられることもある。
現代社会を象徴するバナナに、黄色のバナナや赤のバナナや成熟前の緑のバナナなど多種多様の存在を1つの造形にすることで、私なりに多様性を認め合う新しい社会に変わりゆく、これからの明るい現代を象徴する存在とした。

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W230×D170×H155mm/2022
白磁器
​16th藝大アートプラザ大賞審査員特別賞